【完】ペテン師との甘い夜



その日の夜。



あの後一度別れた私達は再び何時ものお店で落ち合う。



スーツ姿だった朱美ちゃんはラフな恰好。



しなやかな体のラインが分かる黒のシャツとパンツ。



黒の羽根のピアスがミステリアスな顔を引き立ててる。



「伊織チャン、鑑定の結果は明日私が研究室に取りに行くわね。」



「分かった。明日ね。」



目の前に置かれた淡い水色のカクテル。



「今日は私の奢り。気分がいいからね。」



何かを掴みすっきりした朱美ちゃんはふわりと微笑む。



私はまだ分からないのに。
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