ある雨上がりの日に。
会議開始の時刻まで後わずか。
奈緒子は会議を完璧に進行させるために心を落ち着かせる。



そしてもう一度口紅を塗りなおそうとトイレに向かった。


スタスタと歩く奈緒子の後ろから声が聞こえた。

「あれ?」

その声に振り向くとそこには中島祐樹がたっていた。




想定外の事だった。
元彼氏が今自分の前にいるなんて…。

「祐樹?」
「奈緒子。久しぶりだな。」

思っていたとおり相手は中島祐樹のようだった。



「ごめん俺、これから大事な会議あるから。また後で昼でもどうだ?」
断る理由が見つからなかった。
「あ、うん。」

そして祐樹は時計に目をそそぎ、足早に去っていた。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop