三日月ノ夜ハ傍ニイテ
【ねぇ 最後の日に二人でしたことを 覚えてる?】



ヘッドフォンを買ったんだ。
キミの為に

CDでしか
聞いたことのない
キミの声
僕の耳にどんな風に
囁くんだろう



それから赤いリボンを買ったんだ。
キミの為に

誰も触れた事のない
白い首に結んだら
どんな風に鳴くんだろう



あのいい加減な
 ●△※☆が許せなくて
キミは泣くんだろうな 
って思ってたのに
ケラケラ笑ってるんだもん


僕は慰めてあげようと
大人な気分でいたのに
もうそんなことは
どうでもよくなって

仔猫がじゃれあうみたいに
二人で笑い転げて
それから



キミの首を絞めた



僕の手の中で
ドクドクと脈打つ血管
だんだん紅くなる顔が
とても素敵で

僕を締め付けるキミ
もとても素敵で


あっという間に
終わってしまった


動かないキミは
案外つまらないんだね





あぁそうだ。

赤いリボンを
してあげるのを忘れてた。

白い首に
赤いリボンはとてもよく似合う

御揃いにしてみたくなって


僕は自分の喉を真横に裂いた



なにもかも
赤く滲んでいる
すべてが
紅く染まっていく



「前髪を透かして
  見えた景色はピンク」








< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

あれは多分 短くても恋

総文字数/849

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る
身勝手な人々

総文字数/988

詩・短歌・俳句・川柳2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop