夢の国のアリス


荒い呟きが、

闇に反響する。



気付いたんだ、アリス

僕は、“あいしてる”なんて言いながら

ずっときみを、“幼馴染み”って思ってた。



バカだよね、

だから、



「会ったら言うから。…アリス、僕のコイビトになってって…さ。」




きみは

僕をどう思ってくれてるのかな

どんな風に、想ってくれてるのかな。



“幼馴染み”かな?

“親友”かな?

それとも、きみも―




「…はぁ…は……いかないと…。」



だいぶ整ってきた呼吸

ふらつく足を叱咤して、

ゆっくりと歩き出す。

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