ぴーす
「うん。今日ちゃんと検査してみたら、下げていても大丈夫みたいだからね」


「ありがとうございます!」


あたしはずっと上げられていた右足を見た。
院長先生は左手であたしの足を支え、右手で足を上げていた物を取った。


布団にゆっくりと落とされた右足。
久しぶりの感覚。

でもずっと足が上げられていたせいで、太腿が疲れていた。



「でも、あんまり動かしちゃダメだよ」


さっそく寝返りを打とうとしたあたしに、院長先生が釘を刺してきた。


「はい……」


ちゃんと向き直り、頭を枕につける。


「あと、学校に行くのはキリのいい4月になりそうだよ」


「そう、ですか……」


もう学校なんて、どうでもよかった。

学校に行けば、どーせ心ない担任の言葉や、あんまり理解できない授業。



早めに戻れたって、きっとあたしの居場所はなくなってる。

そーいうもんだ。


芽亜莉の顔が一瞬浮かんできたけど、昼の優しい陽射しに負けて、目を閉じた。









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