隣人高校生


「あ…初めまして。夏樹冬太(なつきとうた)といいます。今度隣に引っ越してくることになりましたのでご挨拶に。」



――う、わ…び、びびび美少年――――!
こんな整った顔見たことない…
上も下も整っとる
足長いし顔綺麗やし鼻筋綺麗に整っとるし、なにより…頭良さげなんやけどこの柔らかそうな雰囲気が…!めっちゃ好感持てる…



「どうも…隣人の佐上葎(さがみりつ)です」



自分の口から出たあいさつに思わず失笑。
「隣人」って「隣人」ってあえて言う必要なしじゃんか―――!!



「はい。こんにちは、佐上さん」


あたしの失敗ももろともせず素敵笑顔で返してくる夏樹くんは、とても素敵な少年で。
―――少年、で?



「え、何歳?」

「あぁ、今年、卒業です。高校」

「高3!?え!?それちょっと、」

「高校生活もあと3ヶ月なんですけど勉強に集中したくて独り暮らしさせてもらったんです」


礼儀正しい子やなーなんて思いながらフンフン頷いてみる。

「だから凄く頼ってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。葎さん」


「こんなんで良かった…ら………あれ?今」

「良かった。お世話になります、“葎”さん」


疑問もものともせずにこっと笑った彼はとても素敵笑顔で。
けどもあたしの生活は平和な生活から一変して、前途多難な予感…



どうか明日はいつもと変わりありませんように。
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