スターダスト
「ここが…地球…なの?パパ…。」



外に無我夢中で出てきた私は、改めて、そのパノラマの風景を目の当たりにして…固まった。






…そうだ。そういえば私、さっきから歩いてる…。

あの映像で見たような人間と同じ…、手も…、足も…、言葉も…、自分の力で…。



改めて、自分の手のひらを、眩しい光に伸ばしてみる。




「…透き通って…なんか、ほんのり赤い…。」



そのまま私は、芝生にペタンと座った。





「バウッバウッ♪」



「キャアアア!!!」


また、「何か」に飛び掛かかられ…。


「ペロペロペロペロ♪」


舐められ…。





…ぐっちゃぐちゃ…。


よ、よ〜し!!


「おすわり!!!」



「クゥン。ヘッヘッヘッ。」


お…おさまった…。




恐る恐る…「何か」に手を伸ばしてみる…。




フサフサ…。



気持ち…いい。


顔をよく見ると、…笑ってる?


後ろの方では、パタパタと何か音がしてる…。




「お前、可愛いね。」


その言葉に反応したのか、「何か」が立ち上がり、私の方に…ゆっくり歩いてきた。


そして、今度は飛び掛かることなく、優しく…。


「ペロッ。」




…嫌ではなかった。むしろ、温かい…。


まるで、心を見透かされているように…「何か」は私に寄り添ってきた。







…気が付くと、私は我も忘れて、大粒の涙を流しながら、「何か」に抱きついて…いた。






窓から、誰かに見られていることも知らずに…。
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