永遠の約束-約束のはじまり-


「そうだよな………。それだけの力を持っているとなると、きっとこのリストに名前があるはず」


「もし、名前が載っていないとなると偽名とかじゃない?」





 椅子に座りキーボードを叩いている真之の隣で画面を覗きながら、礼香は言う。





 パソコンの画面に映し出されているのは、能力者の名前と住所、年齢、職業、どのような力を使うかなどの詳しい情報だった。


 いくつも並ぶ文字の羅列に真之は目を通していく。


 このデータには、ほんの少しの力を持っているだけでも名前は載っているはず。


 それならば、あれほどの力を持つ人物の名前は必ずと言っていいほど載っているはずだった。


「『みお』という名前からしたら、きっと女性……よね…」





 不安げに言う礼香。


 だけど、真之の耳にはそんな礼香の言葉は入ってはいなかった。





 リストの中には綺羅の名前も真里の名前ももちろん載っている。


 だけど、『みお』という名を持つ人物は載っていなかった。





 椅子の背に体を凭れさすと、真之は力なく画面を見たまま「いない」と呟く。


「えっ? いないって……。やっぱり、載っていないってこと?」


「ああ。何度も見返しているけど、それらしき名前の人物はここには載っていない」


「そんな……!」





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