実の弟に恋をしました。



思いがけないニュースが飛び込んできたのは、それから1週間ほど経った頃だった。



「えっ、逮捕!?」


「…うん。強姦未遂だって」


「…っ、」



あたしは、驚きのあまり声を出せずにいた。

由紀の話によると、昨晩、慶太さんから連絡があったらしい。


雄司が逮捕された、と…。


由紀は、青白い顔をしたままあたしの顔を見上げて言った。


「それ聞いたとき、真っ先に真弥の顔が浮かんだの。
真弥、早く別れて正解だったね」


「……うん」



由紀は、知らない。


あたしが一度、雄司に襲われかけたこと。


あの行為だって、訴えれば立派な強姦未遂になるはずだ。




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