実の弟に恋をしました。



「そういえば陸、アナタ彼女いないの?」


「ぶはっ」


「ちょ、何やってんの真弥。汚いわねー」


お母さんが慌てて布巾を差し出してくる。


もう!
お母さんが変なこと言うから、牛乳吹き出しちゃったじゃん。


あたしは涙目になりながら、チラリと隣の陸を見上げた。


「…クッ」


ム…。

笑い堪えてるし。

肩震えてるからバレバレだっつーの!

あたしがキッと睨むと、陸は含み笑いを浮かべながら、あたしの頭をグシャグシャとかき乱した。



「…いるよ。彼女」



──え、陸?



「やっぱり。陸はお母さんに似て美形だから、女の子が放っておかないでしょう」


「まぁね」


「で、どんな子なの?」


「…んー」


チラ、と陸があたしの顔を見る。


な、何よ!



「バカでドジで、アホ丸出しな奴。行動がギャグ漫画みたいな奴」


「…なっ!」



なんだとーっ!



< 126 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop