実の弟に恋をしました。


「う…」


すかさず声をあげた陸に、たじろいでしまう。


な、何よ…

せっかく誘おうと思ってたのに。



「でも、せっかくもらったんだし…」


「だから、俺はいいって。気遣わなくていーよ」



…違うよ。

あたしは、陸と一緒に行きたいんだよ?


そう正直に言えたら良いのに、素直になれないあたしはつい遠回りをしてしまう。



「姉貴、好きだろ?遊園地」


「そりゃ…好きだけど」


「なら行ってこいよ。な?」


そう言って、少し強引にあたしの手にチケットを握らせた。


「……」


「姉貴?」


「……あたし、行かないし!」


そう言って、チケットをテーブルの上に戻す。


「はぁ、なんで…」


「陸と一緒じゃなきゃ行かないからっ!!」



………。


言った!

言ってやったぞ!



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