実の弟に恋をしました。
なにはともあれ、良かった……。
…のかな?
なんだか複雑な心境。
だって、いくら本人の自覚無しと言えど、キスしたことは事実だし。
まぁでも、それはあたしの中だけで消化すれば済む問題だしね。
これ以上深く考えるのはよそう!
……なんかスッキリしたらお腹すいちゃった。
「お母さん、パンもう一枚ちょうだい!」
「…朝からよく食うな。それだから太るんだよ」
すかさず横槍を入れてくる陸。
し、失礼な!
「うっさい!朝食べとけば集中できんの!」
「はいはい」
……そう。
この時のあたしは、この先起こる波乱なんて全く想像もしてなかったんだ──。
第一章おわり..