実の弟に恋をしました。
「…真弥ちゃん?」
千明さんが、心配そうにあたしの顔を覗きこんでくる。
「大丈夫?具合悪い?」
「……」
「少し、外の風に当たったほうがいいよ」
──優しいんだね。
もし千明さんが彼氏だったら、こんなに苦しむことだって無いんだろうな─……。
でも。
「……ごめんなさい」
小さく呟いた言葉に、3人が驚いてあたしを見た。
「今日は、帰ります」
そう告げて、バッグを片手に席を立つ。
くらくらする…。
「真弥ちゃん!危ないから、送るよ!」
ふらつくあたしの肩を支えるように、千明さんが言った。