実の弟に恋をしました。
はやる心臓を抑えながら、陸の携帯に電話をかける。
けれど、聞こえてくるのは無機質な音声だけ。
電波が入っていないのだ。
「陸…ドコ行ったのよぉ」
携帯を握りしめ、あたしは崩れるようにその場にしゃがみこんだ。
言いようの無い不安。
昨夜の幸せの代償が、きっとあるはずなんだ……。
そのとき。
♪〜♪♪
手にしていた携帯が、軽快なメロディーと共に震えた。
「もしもし!陸!?」
無我夢中で叫ぶ。
───けれど。
「真弥?…父さんだ」
────え?