約束

誕生

「おめでとうございます,かわいい女の子ですよ！」


元気な産声をあげながら,決して都会とは呼べない,そんな街にあたしは生まれた｡
名前はパパが考えてくれて,りさと名付けられた｡


平成２年,４月３日 ｡血液型はＯだ｡


それからしばらくが経ち,ママと退院した｡
家はまだ小さなアパートで,パパとママ,そして２つ年上の姉と家族４人で暮らしていた｡


あんまり覚えてはいないが,親戚と口論になって,パパの両親や兄弟と縁を切ることになって,

あたしの祖父母はママの両親だけとなった｡だけどおばあちゃんはいない｡ママが若いときにガンで亡くなった｡


「どうしてりさとお姉ちゃんのおじぃちゃんはひとりしかいないの?」


「どうしてりさたちのいとこもおばちゃんもいないの?」



その問いかけにいつも困った顔して悲しそうな表情浮かべたママたちがいた｡



周りにはおばちゃんもいる｡おじぃちゃんも,いとこもいる｡友達との会話に「いとこがさ～」とか「おばあちゃんがね,」とか聞くと嫉妬というのだろぅか,なんとも言えない気持ちにかられた｡