時を越える愛歌
柚葉「うん…あんな、章大の事やねん」








あたしは座り直して隆平くんの目を見る。












隆平「章?何かあった?」
柚葉「あたしな…章大の事、好きやねん」







自分の気持ちを、隆平くんに言ってしまった…










心の内を打ち明けたのは隆平くんが始めて。







隆平「本間に?良かったやん!」










柚葉「でもな…」






でも、あたしは…














章大や隆平くんと違って生きてないから




















隆平「…」








柚葉「何かな、そんな自分が章大を好きになる資格なんかないなって思って」










こんなあたしが自分の気持ちを伝えた時点で、





章大は何て言う?








正直、困らせるだけなやんな。











自分が気持ちを伝えて、相手に迷惑かけんねんやったら、







あたしが我慢すればいい?










自分が生きてないから、伝える事が出来ない想い。











伝えたくて伝えたくて、どうしようもないのに、






伝わらない想い。









こんな自分が…本間に嫌。
自分の気持ちを伝えられへんって事は、両思いなんて絶対ありえへん。












章大があたしを好きなんて絶対ない。








世の中そんなに上手くいかへん。







柚葉「やっぱり、あたしのこの気持ちは…無意味なんかなっ?」
< 49 / 112 >

この作品をシェア

pagetop