天使のいいなり

●写真の中

『なんで当たり前のように悠斗の隣にいるの?』



投げつけられた写真を見ながら、あのトキの出来事を思い出す。


写真の中のみんな。
みんなすごくいい顔で笑ってる。
なのに…、なんで気づかなかったんだろう。


光莉ちゃんだけが、真っ直ぐ射るような目で、カメラを見つめていた。




写真に写っているのは16歳の私。
高2の夏のコト。
悠斗先輩が3年生で、最後の県大会。


いつも悠斗先輩は、みんなが最高のプレーが出来るように、いい雰囲気を作ってくれる。
最高のチーム。


悠斗先輩のおかげでみんなの士気が上がり、私達の学校は見事優勝するコトが出来た。
マネージャーの私達も、みんな号泣して喜んだんだ。




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