天使のいいなり

●友達

ガラガラガラ…。


図書室のドアを開ける。

あのバレンタインの日の気持ちとは全然違う。
手は震えてないし、心臓が破裂するくらいのドキドキもない。



とっても穏やかな気持ち。





夏休みのせいか、生徒は誰もいない。


「やっぱり図書室といえば、あの場所だよね!」


そう言い、私はお気に入りの席へ向かった。


あれ?もしかして、人がいるのかな?
誰もいないと思っていたのに、席には人が座ってた。



「光莉…ちゃん?」


席に座っていたのは、光莉ちゃん。
背中まである、サラサラの黒髪のストレート。
光莉ちゃんの瞳は、真っ直ぐに窓の外を見ている。


凛とした横顔が、とてもキレイ。



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