天使のいいなり
私にだけ微妙な空気が流れたトコロに天の助け。


「ただいまー。」

紗英ちゃんが帰ってきたみたい。
だけど、いつもと違う。
なんかやかましい足音がするっていうか…。


リビングに入ってきた紗英ちゃんの後ろから、ひょこっとアッキーが顔を出した。


「おっじゃましまーす。」

「明仁、なんでいるんだよ。バイト忙しいって言ってたのに。」

「遼、迷わないで来れたか?つーかお前と喋ってたら、紗英ちゃんに会いたくなってさ。会社まで迎えにいっちゃった。」



紗英ちゃんにベタ惚れなのは分かるけど、アッキーのデレデレ顔はちょっとねぇ…。




瑞己が静かに、紗英ちゃんの前にカレーを置いた。


「美味しそう。瑞己くんありがとね。」

「おーい、瑞己、俺のは?」

「ないよ。紗英さんので最後。アッキーくんまさか、紗英さんの横取りしてまで食べる気?意地汚いなぁ。まぁ、ちょっと可哀相だから、俺の分分けてあげるよ。」


そう言ってキッチンに行った瑞己は、何やらゴソゴソした後、再びダイニングに戻ってきた。



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