天使のいいなり
<エピローグ>
またこの季節がやって来た。
私が1番好きな季節。





「お大事にどうぞ。」


冷房の効いた涼しい部屋から、外へ出る。

遠くからはセミの合唱が聞こえてくる。

青い空と白い雲。
庭先にはしぼんだ朝顔や向日葵。
真上にはさんさんと輝く太陽。


太陽の光が眩しくて、光を遮るために私は顔の前に左手をかざした。
太陽の光に指輪が反射する。





あの不思議な体験から、いくつ季節が巡っただろう。


この季節になると、いつも思い出すの。




『瑞己』


少しずつ成長していく瑞己を。
少年っぽさが抜けて、青年になっていく瑞己。




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