天使のいいなり

●小さな眠り姫

僕の心に刺さった小さなトゲ。

取れることなく、2年が過ぎた。


桜が舞う季節になった。

大学に入り、偶然迷い込んだ場所。
キャンパスの外れにあるこの場所。

小川のせせらぎが、僕の心を和ませる。
大学で落ち着ける、僕だけの場所。



「この桜を見るのも、2回目か…。」

空から舞う花びらを見ながら、僕はつぶやいた。


空ばかり見ていたから、全然気づかなかったんだ。

僕の心を揺るがす出来事が、もうすぐ起こるなんて…。



「う…ん…。」



なんだ?
人の…声??



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