【長編】Lover only of name[おまけ追加]
教室に戻ると雄一がすでに不機嫌。


ななくんと知り合いだって聞いたんだろうな。


「ねぇ。
柚希ちゃん。
3年の転校生と知り合いなの?」


直球で隣の席の子が聞いてきた。


「あぁ。
いとこだからね。」


「そうなんだ。
いいなぁ〜。」


軽く話をしていたら先生がきた。


雄一に誤解を解かなきゃ。


あんなあからさまに不機嫌なんて.....


私はいいけど周りがかわいそう。


先生は、簡単に連絡事項を伝えるとすぐにいなくなった。


私は、さっそく雄一のそばに行こうとした。


けど......


女子が私のとこに集まった。


「柚希ちゃん。
3年の転校生がいとこなんだって。紹介して。」


そんな依頼が殺到。


「ごめんね。
ななくんは彼女いるよ。」


私の常套句だ。


ななくんに言われてたんだ。


なんかそう答えろって。


実際はいないんだけど。


友紀を見ると眉を潜めていた。


事情は、後で説明しなきゃ。


雄一は、


『いとこ』


という部分が聞こえたらしく機嫌が直った。


女子たちは、がっかりしながらいなくなった。


納得もしてたけど。
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