来る来る廻る
リコの喜ぶ顔は、今の俺を支えていた。
昨日の深夜の行方…聞いてみようと意気込んで来たものの、いざリコが目の前だと聞けなかった。
恐い…答え聞くのが恐かった。
それに、二人のこの空気が一瞬にしてシラケるに違いない。
何か…遠回しの聞き方はないだろうか?
俺は聞いてみた。
「リコ、店終わってからさ、アフターとかって行く事あんの?」
「え?朝が早いって言ったでしょ? 終わったら家にすぐ直行よ。だから全然…深夜はうろうろしてないわ」
「友達と会ったりとか?」
「夜中なんて会わないわよ」
「そうなんだ……」
それ以上は突っ込めなかった。
昨日の後ろ姿は…俺の勘違い…俺の錯覚…幻…そうゆう事にしとくよ。