来る来る廻る


「きゃぁ~~」

「きたなぁ~い」

そこへ翔さんが飛んで来た。

「何てことしてくれたんだよ!」

俺は翔に胸ぐら掴まれ、フロアに叩き付けられた。

翔の怒った顔…初めて見た…落ち着き無くした翔を見た……。

それから先の事はよく覚えていない。

意識朦朧とした状態で…気が付くと…酔客行き交う通りを俺は歩いていた。

行きつけのクラブに入った。

耳に入ってくるのは、ボリューム大のミュージック……。

喧しい空気は、俺を安心させる。

静かな空気は、俺をびびらせる。

バーボンロックを何杯か飲んだ。

目が霞んできた……。

もう、動けねぇやぁ…。
携帯持ち、発信した。

「もしもし、イーグル?」

「佐々木君?佐々木君でしょ?今どこにいるの?イーグルって何?」

「あっイーグルじゃねぇや、ひなこ、俺…もう動けねえよ、迎えに来てくれよ~」


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