来る来る廻る


新しくやって来た、私のペット。

美味しい餌を作ってあげなくちゃ……。

私は素早く着替え、キッチンに立った。

ペットにペットと思わせてはいけない。

そぅ、あなたは立派な男よ…上手く自尊心くすぐり、おだてるの。

頼る振りをして、この女には俺が必要なんだと思わせる。

可愛く尽くす女を演じ、とびきりいい女のイメージを、男の脳に植え付ける。

それから後…調教が始まる。

男はそんな事知る由もなく、アリスのペットに化していくの。

厚切りトーストにスクランブルエッグ、ベーコンにサラダ、ドリップコーヒーに、その上、絞りたてのオレンジジュース付けて…贅沢なペットフードが出来たわ。

シーツに包まれた佐々木を起こしにいかなきゃ……。

甘い香りと胸の谷間で、佐々木が目覚める。

手首掴まれ、思わず引き寄せられる私は、されるがままの力弱い女を演じる。

「ダメよ~、コーヒーが冷めちゃうわ」

クローゼットに隠してある…首輪…手錠…鞭………何も知らないで……。


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