いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

「はい、これで大丈夫です。二、三日で腫れも引きますから」

「ありがとう」

あたしを棒で打ちつけた子と、たいして年も変わらないような少女が言った。


アクアブルーの瞳。
同じ髪色のおそろしく可愛いその子はまた、おっそろしく殺傷力の高い笑顔をあたしに向けた。


看護服ともメイド服とも見える白いエプロン。

ネコのように白い耳。

シロとクロのしましましっぽ。

大きな二重の瞳をくりくりさせて、彼女は嬉しそうに笑っている。


(かわゆすぎるぅぅぅ!)


思わず抱きしめたくなる。

天使のほほ笑み美少女バージョン。

この子があっちの世界にいたら、絶対に誘拐されちゃうに決まってる。

って、物騒すぎ?


「姫様から、お礼をいただけるなんて。こんなことくらいで、もったいないお言葉です」

「こんなことって。すっごいじゃん!」


患部を冷やすって、クラウスが言うから、てっきり氷水につけたタオルかなんかで冷やすんだって思ってたら。

こんな美少女が現れて、患部を急速冷凍。

『アルナ』と名乗った美少女は氷の力を使える『虎』の一族。

アイスノン顔負けの冷たい手は、熱く火照った患部に最高に効いた。
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