いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
にしても。

今日は妙に居心地が悪い。

あたし、小さい頃から動物だけには異常に好かれてた。

道で会う野良ネコはあたしのこと拝むみたいに手を合わせたり(しているように見える)。

お辞儀したり(しているように見える)する。

散歩中のわんこたちも、いちいち立ち止まって頭を下げる(ように見える)。

時にはついてきちゃう野生のリスとかもいるくらい。



でも、今日は違う。



どの動物も遠巻きに見てる。

おびえたように巣にもぐっちゃう動物もいた。

ペンギンなんか、みんなあわてて水中に飛び込むの。

ライオンたちは威嚇までしてた。


特にやばかったのが3種。


その一。

銀色の毛並みの美しい狼。

鼻先にしわ寄せて、鋭い歯を剥き出しにして威嚇。


その二。

黒に見間違えるくらいに深い緑色のクマ。(種類は忘れた)

長い爪の大きな手を振りおろすように、ガラス越しにこちらを攻撃。


その三。

どういうわけか、真っ青にカラーリングされたキツネ。

愛想良く寄ってきたかと思うと、先輩に向かってメンチぎり。


「なんか、僕は嫌われてるみたいだね」

「そんなこと……ないと思いますよぉ……」


から笑い。

先輩の言うとおり、攻撃対象はどうも先輩っぽい。



身を突き刺すようなこの敵意の視線はどこから?
< 16 / 274 >

この作品をシェア

pagetop