いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「おまえの力が必要だ。だから、今はおまえを帰してやれない」

「ちょちょちょちょっと待ってよ!あたし、普通の女子高生だもん。なんの取り柄もないし、進学校には通ってるけど、そんな国を救えるほど頭良くないし。それに、運動神経だって平均よりきもーち下だし。ついでにいうなら、魔法とか、科学技術とか。そーいったもんも持ち合わせてないっていうか……」

「おまえが知らないだけだ。おまえには大いなる力が眠っている」

「はぁ? ちょこっとしか会ったことないあなたに、あたしの何がわかるっての? なんでそんなわけのわかんないこと、平気で言うの?」

「オレは! おまえのことならわかる!! おまえのことなら、他のどんなやつよりもわかってる!!」


言い返せなかった。

すごみのある強い声で、彼は言いきった。


それは嘘には聞こえなかった。


「じゃぁ、証拠は?」


あたしの質問に彼はすくっと立ち上がると、あたしの右の腕をとった。


「これだ……!」


ワンピースのそで口のすぐ近く。

彼の視線をたどったその先。

あたしは得体のしれないものを見つけた。


赤紫色のアザ。

こんなところにアザなんか、あった?


ううん、アザって言うよりもこれ、タトゥーっぽい。

ん?
タトゥー!!


「なんなのよぉ、これぇぇぇぇぇぇ!!」


右腕上にはっきりと見たこともないタトゥー。

それははっきり、しっかりと。


たてがみなびかせ、大きく口を開けた獅子の横顔。


確かにそこに。

見事なまでに刻まれていた。
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