いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

「獅子王ラエルの力を継ぐ一族のみに与えられた特殊な力だ。ありとあらゆる厄災から守る力。だが、隣国の策略にはまり、その大半が命を落とした。

そして、先代女王が崩御され……護り手を失ったこの国は奇病に侵されてしまったんだ」

「だから……あたしをさらったの?」

シュリは少しためらったあと、ゆっくりとうなづいて見せた。

「どんな理由があろうと、してはいけないことだったと思う。きちんと説明して、おまえには納得してもらって来てもらうべきだったと思う。

だが、時間がなかった。おまえ自身を守るには、こうするしかなかったんだ」

「あたしを守る?」

「この国の隣に魔族の住む国がある。オレたちは今、そこの攻撃を受けている」

「戦争?」

「戦争というにはほど遠いな。一方的にやられているのが現状だ。騎士団も応戦しているが、多勢に無勢。犠牲者ばかりが増えている。情けないほどに……オレたちは国も、そこに住む人さえも守れていない」

「シュリ……」

「魔族は次期女王のおまえを狙っている。手段を選ばず、強引にだ。オレたちにとって、おまえは最後の希望の星なんだ」

「あたし……」


どうしていいか分からなかった。


事情はわかった。

でも、それを理解するには心と頭が追い付いていけてなかった。
< 46 / 274 >

この作品をシェア

pagetop