いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
これは天変地異の前触れじゃなかろうか……


「なんか、悪いことしちゃったかな」

隣で同じ調子に合せるように歩く先輩が言った。

あたしはその声にハッと顔をあげた。

「なななな何がでしょう?」

緊張しすぎ。
噛んでばっかじゃん!!
しっかりしろ、あたし!!

でも、そのキラキラ笑顔は反則ですぅ!!

「家族で出かける予定だったんじゃない?」

お母さん、スーツ着ていたみたいだし。
と、先輩は言った。

「とととととんでもない!! 母は仕事で。パパは夕飯の仕込みで……」

思いっきり両手を振ってみせる。

先輩は一瞬きょとん顔をしたけど、すぐにプッと吹き出した。


「ユナくんってやっぱりかわいい♪」


ボンッ……
って火山が噴火しそうになるくらい、顔の温度が急上昇。

(あたしのこと、かわいいだって!!)

信じられない。
信じられない。
先輩があたしを「かわいい」って言ってくれた。


あたし、全然かわいくないのに……


ブリーチもしてないのに、生まれつきのオレンジ系の強い髪。
カラコン入れてるみたいなヘーゼル色の瞳。

パパ、ママ二人とも生粋の日本人。
家系に外国人の血が混じったことは一度としてなし。
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