やくざな主人と生意気ペット


「神無月さん」

「あ?」


夜遅くに帰って来た神無月さんに昼間のメモの内容を話す。
まずは遠回しに。


「なんか今日はいつもと違う気がしませんでした?」

「飯が不味い」

……このやろう。


「そ、そーですよ、不味い飯ですよ!
あたしが晩御飯作ったんですよ?
何か言うことありません?」

「肉が生焼け」

……このやろう。
こはるちゃんキレちゃうぞ。


「神無月さんのばーか!
今日お前の誕生日って聞いたからこのあたしが晩御飯作ってやったのに!しかも嫌いな野菜類は極力少なく!デザートに好物の苺大福だって用意したのに!」

「こはる、何で知ってんの?」

「早乙女さんが教えてくれたんだよばーか!
野菜食えないヤクザって何だよ!苺大福好きなヤクザって何だよ!
ファーストキスが16の春なヤクザって何だよ!
山口ユキかっ」

「はっ!?てめぇ早乙女に何聞いたんだよ?」



メモ見た時ちょっと可愛いかもとか思った自分を殴りたい。

苺大福全部食ってやろう。
飯不味いとか言った罰。


なんか大事な事聞くの忘れてるような気がするけど…
まあまたそのうち思い出せばいいや。



「あ、ピーマン残さないで下さいね」

「……個人の自由」




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