加納欄の出会い シリーズ2
どこに行くのかはわからなかったけど、とりあえず運転席に入ろうとすると。
「女に運転なんかさせられるか、助手席いけ」と、言われた。
あたしは、助手席に座りシートベルトをした。

暫く無言が続いた。
「大山、さん?すみません」
謝ってみた。
大山さんは、無言だった。
「何か謝るようなことしたのか?」
大山さんに質問された。
「いえ、ただ、何となく……。迷惑なのかなぁって思って……」
あたしは、前を向いたまま話した。
大山さんは、車を止め、あたしを見ると、タバコを吸い始めた。
すすめられたけど断った。
「フゥ~。苫利より若い奴の扱いを、どうすればいいのか、ちょっと迷ってるだけだ。あ、苫利って見かけ若い奴いたろ?あいつが来た時も俺が組んだんだけど、まだ野郎だったからな」
それが本心なんだかはわからなかったけど。

なぁんだ、そんなことを気にしてたんだ(-_-)

「気にしないで下さい。大山さんが思うように指示してもらえたらその通りに動きますから」
私が、無愛想に答える。
大山さんの眉が一瞬ピクッと動いたけど、とくに言葉にはださなかった。
そして、タバコを吸い終わると、車を発信させた。
「……今まで、どこにいたんだ?」
大山さんが、聞いてきた。
「捜査科です」
「どこ?」
「捜査科……」
「何署?」
「……地方のど田舎で……」
「ふ~ん」
大山さんの、『ふ~ん』は、疑った、『ふ~ん』だった。
そんなこと聞いて、何になるんだろ(-_-)?
私にとったら何の興味もない会話だった。
「沖縄……です。2人しかいない駐在所に少しの間いました……」
「お、沖縄?」
思いもよらない場所だったのか、大山さんは、私を二度見した。
「はい……」
「そりゃあ、また遠いトコから」
「…………」
「大捕物でもしたのか?こっちに来るなんて」
「いえ何も。毎日悪戯坊主相手に遊んでただけです」
一瞬、沖縄での事を思い出したが、あっという間に消え去っていた。
大山さんは、それ以上聞かなかった。

「とりあえず、聞き込みだ」
「はい」
大山さんは、車を、とある喫茶店に横付けすると、シートベルトを外して降りた。
あたしもそれにならって、車から降りた。
喫茶店の名前は”カシミヤ“と書いてあった。

山羊さんねぇ(-.-;)

あたしは、そんなことを思いながら、大山さんの後に入って行った。
店内に客はいなかった。
ただ、店内のど真ん中に異様なシャンデリアが堂々とぶら下がっていた。



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