夜の街から
それからの数日間、何事も無かった。
…――――起こったのは、久々に行った繁華街でだった。
「ありがとおございました!またよろしくお願いします。」
そう、いつものように終わった。
片付けるあたしに、電灯を遮る影が。
ゆっくり顔をあげる。
稀癒か壱貴だと、思い込んで。
でも、目の前の彼女は二人のどちらでも無かった。
その顔は。
今朝から教室でみた、顔。
どうみたって、葵子だった。
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