夜の街から

和解

見合いはそこそこで切り上げられた。

何やらこそこそと彼は母さんと話をしていた。
帰りに聞いたけれど、母さんは教えてはくれなかった。

「直ぐに分かるわよ。」とだけ言って。
直ぐっていつ?


でも、そんな疑問は本当に直ぐに解決した。
それは休み明けの月曜日。
放課後の事だった。


その日は可笑しかった。
何時もは、迎えの車が到着したらメールをドライバーさんが入れてくれるのに無かった。
今までは略(ほぼ)16:00きっかりにくれていたのに。

不思議に思いながら校門を潜(くぐ)った。
何か用事が在って遅いのかもしれない。


潜って先ず目についたのはBMW。
如何にも、迎えに来てます。みたいに止まってる。


あたしは喜びで大騒ぎしている心臓を鎮めたかったから、わざとスルーしたのかもしれない。


ホントは見えて居たのだけれど。
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