夜の街から
はじまり。

許可


下におりて席に着いたときには、蓮と両親の笑い声でいっぱいになってた。
なんだか、父さんと気が合うみたいですっごい仲が良さそうだった。

でも、兄達はムスッとした顔で不満げだった。


「あいつ、何で家にいるんだ?ライバルだろ?」

「うん。ってあたしがお見合いした相手って言わなかった?」

「はあ?聞いてねぇ!しかも断ったんじゃねぇのかよ!」

「断ったなんて、一言も言ってないよ。」

少し声をあらげ、話す兄に気付いたその人はあたしに視線を向ける。


微笑んでくれる、その表情にあたしは感情が昂る。



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