夜の街から
子育てはとっても重労働だった。


あたしがしなくたって由萌の面倒は、みてもらえる。
たくさんの雇い人がいるから。

でも、あたしは自分の手で育てたかった。
愛情を注ぐ意味を知っているから。

由萌が10歳になった時に、二人目を授かった。
蓮が望んだ男の子だった。


その翌年、また三人目を授かった。

三人目だけだと思ったら四人目も息をしていた。
一卵性の双子。
男の子と女の子。


子宝に恵まれて、あたしは幸せ。


辛いこともある。
人の手を借りなければ育てられない時期もあった。

そんな時に感じるのは人の優しさ。


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