ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
15分前─────。



一年の締めくくり。

仙台の街が、一気にムードもヒートアップするSENDAI・光のページェント。

青葉通、定禅寺通には、幾千、幾万もの温かな光の粒を照らす、誰もが心踊る12月。

しかも明日はクリスマス・イブ。

恋人たちの心も最高潮に達しているって時に。

【アタシも明日休み取れたから、付き合って3周年のお祝いしようね♪】

これから部屋でまったりと、届きたてほやほやの、愛らしいエリからのメールに返事を電話返そうとしていた時に……。




コンコン☆




「真一、入るぞ」



滅多に俺の部屋に入ってこない親父がノックしてきた。

俺は、ベッドに横たわり、エリからのメールを眺めていた。


「どーぞ」


親父が部屋に入り、辺りをぐるりとゆっくり見渡す。


ふぅっと溜息をつき、アーム付きのスウィブルチェアに腰掛けた。



「相変わらず、お前の部屋は殺風景だな」

親父が苦笑した。


「余計なモノは置かない主義なんだよ」

「ま、俺もそうだけど」

「俺の部屋が殺風景なのは、親父譲りか?」

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