ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
ゴハンの前に洗面所に行き、水でバシャバシャ、勢いよく顔を洗う。

しばらく鏡の中の自分を見つめる。


しかしまぁ~チラッと見ても、よく見ても、平凡な顔立ちだ。

化粧で少し化けてるってトコあるけど………。

素顔は冴えないな……。


しかも眉毛書いてないから、余計にヘン。

アタシは“まろ”か?



それにしても、急に水嶋家のご両親と会うことになるなんて………。

いずれにせよ、挨拶しなくてはって思っていたけどさぁ。

よりによって、クリスマスイブなんて。

今日は、シンと付き合いはじめて3年目のお祝いをしようとしてたのに………。


どんな顔して会えばいいのかな?


冴えないアタシ。

山の手のシンと、庶民的なアタシ。


二人が、“好き”って気持ちで溢れているならば、それを乗り越えていける……。

そう、信じるしかない。

いつものアタシでいればいいんだ。


「よしっ!!!!」


一声あげて、濡れた顔を両手でパンッ!!と叩き、気合いを入れた。


「…………ねぇちゃん……大丈夫か?」

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