ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
第6章 素敵な夢を叶えましょう


―――――4年前のあの頃、互いの家の顔合わせ、じいさんの葬儀などでバタバタと毎日過ごしていた。


そんなある2月終わりのお昼、俺は、会議所の専務理事から呼び出しを食らった。


専務室に入り、専務理事に
“お呼びでしょうか?”
と話しかけ、開口一番、専務に言われた。


『―――――水嶋君、残念だったね』


何を言ったかすぐ、解った。

その年の1月に受けた、中小企業大学校養成課程の入学試験の結果が、正午の合格発表の前に事務所に届いていたのだ。

俺はこの日、ネットで公開される合格発表をこっそり見ようとしていたその時だった。



『―――――忙しい仕事をこなしている君に対して、とても言いづらい事なんだが………次回の7月末にある、10月開講の養成課程受験を最後に、補助金が打ち切られることなったから………来年以降の養成課程の受験は、自腹で受けてもらうことになるだろう。ま、後は、8月の一次試験、10月の二次試験を受けて、両方合格して中小企業診断士の資格を取得となると、君としても金銭的にラクなんじゃないかな?まぁ~大変だろうが、会議所の今後は、君にかかってるんだ。頑張ってくれたまえ』


ポンポンっと、専務理事に両肩を馴れ馴れしく叩かれ、俺は愛想笑い。

『次は頑張ります。申し訳ありませんでした。失礼します』とだけ挨拶し、部屋を後にした。

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