ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「まずは一度、カレと逢う時間作ってさ、お互いのこれからを話してみたら?………その様子だと、今直ぐ結婚ってワケじゃないみたいだし、結婚する前に、よーく相手を見ておくの」
栞が指を差す。
その指がだんだんアタシに近づき、あと10センチってトコで止まった。
そして、栞がゆっくり口を開きこう言った。
「『恋人はしっかり両目開けて相手を見て、夫婦は片目つぶって相手を見る』」
「つまり、“恋人の時は、自分にとって本当に大切な人なのか、相手をよく見極める。夫婦になると、恋人の時とは違い、粗も嫌なとこも見えてくる。相手が好きならば、嫌なところは片目をつぶって、見ないフリをする”………そーいうことなのかなっ?」
栞は“あはっ、さっきのは受け売りなんだけどね”と、おどけて、少し前のめりになった身体を席に戻した。
タメなのに、すごく年上の、別な“女性”に見えた―――――。