ページェント・イブ ～エリー My Love～【長編】

「えっ………？」


「………なぁ？そうなのか!?」


かと思うと、力強い口調でアタシのキャラメルマキアートを持つ右手首をギュッと掴んだ。


「痛っ………」


アタシの声が小さすぎて彼に届かなかったのか、彼は手を離さない。


ノブ………真っ直ぐアタシを見てる。
怖いくらい、真っ直ぐ見つめてる。




「違う、違うってば………」


「―――――ホントか？」


アタシはコクンと、首を縦に振った。


「………あの後、確かに誤解されたケド、解ってくれたから………心配しないでいいから………」


「………そっか………よかった………」


険しい顔が一転、ノブの頬が緩む。
と、同時に、アタシの右手首を掴んだ彼の手も緩んだ。

でも、触れたままだ。


「………俺、あの頃………ホント………バカだったよ………」