君の音


「なぁ、タツヤはさぁ
今まで耳が聞こえない人を好きになったり、身近に居た事あったか?」





「ない」





「俺もない。



だから分からねーんだよ。



確かにタツヤの言いたい事は分かる。


もしかしたら、俺だってタツヤの立場だったら同じ事言うだろうしな」





「悪かった。」




「いや、いいんだ。

さっ!これ片付けようぜ」




「そうだな。明日からミズキちゃん来るしな。」








共有スペースの増築工事が終わったのは、あの会議から1ヶ月たってからの事だった。

予定より伸びた工事の間ににミズキちゃんはあの虹を完成させた。





出来上がった虹は本当に綺麗で 
いつもは足早に通り過ぎる人達の足を止めた。 





その光景を見るたび
嬉しくて 誇らしくて





スゲーな…って思う。










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