この想いがキミに届きますように
「…っ」


気がつくと重なっていた唇…。

このキスは、空からじゃない。


…私、から。



「詩音?」


驚いた様子の空が真っ赤になりながら私を見つめている。



ーやばいっ。

もう、止まんないー…。


「私、空としたい…」


ガタンッ!


私の声が窓ガラスの音でかき消された。

空は、聞こえなかった様で首を傾げている。


私は、大きく深呼吸をし、


「私を空のモノにして…」


と下を向き、言った。


…きっと私の方が顔真っ赤だ…。

空の答えは?


私はゆっくりと空の顔を見上げた。
< 81 / 114 >

この作品をシェア

pagetop