空色 ~END OF AI~
「ごめん……本当にごめんね……」


お母さんはあたしを抱き締めたまま事情を話してくれた。




お父さんの会社がつぶれて、偉い立場にいたお父さんはすごくたくさんの、借金をしてしまったらしい。



それはそんなすぐに返せるお金じゃなくて、家の全部を売っても返せきれないほどらしい。



どうするのかを聞いてみたけど。


今日はもう寝なさいって言われて、その日は寝ることにした。





なぜだろ?


そんなに危機感とかそんなものはなかった。


ただ、拓馬の事しか考えられなかったから………



だんだんとあたしに黒い影が迫って来ている事に、この時はまだわからなかったんだ。


そう、あの時が来るまで…………
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