それぞれの想い
春の空に綿菓子みたいな雲

だんだん紅くなってく空を黙って見ている君

僕が帰ろうと言ってもその場所から動かずに茜色に染まってゆく空をうっとりとした表情で眺めてる横顔が

なんだか色っぽかった

無性に抱きしめたくなって
後ろから君の腰に腕を回したんだけど手の甲を思い切りつねられた

「邪魔しないで!!今いいとこなんだから」

僕も一緒に太陽をみつめる
ゆっくり、ゆっくりと
紅い大きなボールが沈んでいく様子を口を開けて眺めていた

完全に沈みきった後僕の左手をそっと握り
「帰ろっか」
そう言って頬にキスをくれた

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