サンタクロースに恋をする

【白髪の男の子】

見ると黒いニット帽を目深に被った、あたしぐらいの歳かな?


半泣き状態で、必死に誰か探してるみたい。


(危ないなぁ。)


周りが見えてないのか只でさえ人通りの多い繁華街でいろんな人にぶつかってその度に『すっ...すみません。』って謝ってる。


(...あたしには関係ないや。)


通り過ぎようとしたその時。


『痛ぇ~! 兄ちゃんどこ見て歩いてるんだよ! 』


怒声が聞こえて来てあたしは声のする方に視線を向ける。
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