サンタクロースに恋をする
のろのろとベッドを降りて洋服を着る。


『俺が憎いか? 』


首を左右に小さく振った。


『なぜ? 』


『分からない。でも嫌いにはなれない。』


一瞬だけ龍の瞳に苦しそうな影が見えたのはあたしの気のせい?


『咲...。』


『何? 』


『また電話する。』


咲が出ていくと。


龍は。


咲の残り香がする毛布に顔を押し付けると。


肩を震わせた。
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