寮生活は秘密がいっぱい☆
「早く行かないと遅刻するよー!」


夏休み前と変わらずにママの声が寮に響き渡る。


けれど、違っていたのは…。


いつもあたしの手をひいて走ってくれた香希が、先に走って行ってしまった。


あたしたち、もう終わっちゃうのかなぁ…?

少し寂しくなったあたし。
そんな様子に気付いた雄司はあたしに歩幅を合わせて横に並んだ。


「未有…お前も黙ってないで香希とちゃんと話せよ。話さないと何もわかんねーだろ。」


ちょっと強い口調で言われたけど、それが雄司のあたしと香希に対する優しさなんだろうと感じた。
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