ファースト・ラブ



すこしあるいた時だった。


偶々、横を見たらお化けが

突っ立って私を見ている。

そしていきなり不気味に笑いかけてきた。

「ギャー」


私は勢いよく桜井くんの胸の中に飛び込みしがみついた。


「わっ!!里奈ちゃん!?」


「えっ!?」


私は今更になりながら
桜井くんに抱きついたことを
恥ずかしく思った。


「ごめんね!!へんなことして」

「大丈夫だよ!!それより、もう出口だから安心しな!出口まで手繋いでるから。」


手を捕まれた瞬間、私は顔がゆでダコになるのがわかった。



出口まで5mなのに長く感じられた。


やっと出口にでたら桜井くんの
顔が見えて恥ずかしかった。


「ありがとう。桜井くん」


「ぜんぜん!!さて時間もあと少しだし、さいごは何に乗る??」

「じゃあ……桜井くん決めてよ」


桜井くんは悩んだあと

「観覧車!!」

なんて言って無邪気に笑った。



私は観覧車=密室だから


ドキドキだった。


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