初恋【短】

両想い







【明日、葵部活あるん?】

【ないよ!せっかくのクリスマスイブやしね~】

【よかった。じゃあ明日放課後ちょっといい?】

【いいけど何で?】

【いやちょっと話あるけん・・・】




「ウソーーーー!!!!」


「葵ッうるさい!!」

「あっお姉ちゃんゴメン!」


たった今叫んでたあたし、椎名 葵(14)。

さっきからメールしていた好きな人から、【明日話がある】とかメールきちゃったら叫ばずにはいられないでしょ。

どうしよう、まじでこれは期待しちゃっていいよね?!


あたしの好きな人、綾瀬 晃平は中1から同じクラス2年目の男友達。

中1になってちょっと田舎なこの地域に引っ越して来たあたしは、『東京からの転校生』ってだけでちょっと注目浴びてた。

「ねぇねぇ、東京ってどんななん?!」とかばかり聞いてくるクラスの人をよそに、晃平だけは「東京から来ただけで何や、調子乗っとんのか」と嫌味たっぷりな小言を洩らしてくれた。

元々負けず嫌いなあたしは、すぐに晃平に反論。

「何や、別に他のやつと変わらんやん」そう言って、晃平は悪気のない顔で笑った。
その晃平のおかげで、あたしはクラスに馴染むことが出来たんだ。

まぁそれが好きになった理由ってわけじゃないけど。


・・・とりあえず、1年来の片想い(しかも初恋)がたぶん明日実るのだ。

あたしはなかなか寝れなかった。





_.........




< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop